特集:パーソンセンタード・アプローチとの出会い

 南山大学人間関係研究センター紀要「人間関係研究」第20号の特集「パーソンセンタード・アプローチとの出会い」の編集を担当しました。
 村山正治先生・畠瀬直子先生・飯長喜一郎先生の対談をはじめとして、田畑治先生、野島一彦先生、安部恒久先生
池見陽先生、伊藤研一先生からご寄稿いただきました。
 わが国のPCAの発展と各先生方の歩みが織りなすストランズのような特集となり、個人的には感慨深いものがあります。PCAに関わる特集はこれまでも様々なところで編纂されていますが、This is Meを軸にしたものは本邦初ではないでしょうか。日本のPCAの歩みを知る上でもかなり貴重な資料となるとおもいます。南山大学人間関係研究センターHPの以下のアドレスよりダウンロードが可能です。是非、ご参照ください。

書誌情報

南山大学人間関係研究センター編 2021 特集:パーソンセンタード・アプローチとの出会い 南山大学人間関係研究センター紀要「人間関係研究」, 20, 1-85.

公開講演会〜PCAの道:源流をたどる〜(村山正治・畠瀬直子・飯長喜一郎)

私の歩み(This is Me)(田畑 治)

私のPCA(野島一彦)

自己の居場所を求めて(安部恒久)

フォーカシングと私〜狭間での巡り逢い〜(池見 陽)

PCAと他学派との狭間を生きる(伊藤研一)

日本のおけるパーソンセンタード・アプローチに関わる出来事(坂中正義)

PCA文献リスト(2020)

毎年恒例の「日本におけるパーソンセンタード・アプローチに関する文献リスト」の2020年版が発行されました。以下のリンクからダウンロードできますので、ご活用下さい。

お願い:

  • 所属が臨床心理士養成大学院ではなくなってから、相談室紀要類に触れる機会が極端に減っています。また、体調の関係で、情報収集が十分ではないです。該当する文献を執筆された方、もれている文献を御存知の方は、是非ご連絡ください。連絡先は文献リストに記載しているメールにお願いします。
  • 連絡いただいた方には、今後、文献リストや関連論文の発行時に、PDF版をお送りさせていただきます。

書誌情報とリンク:

「エンカウンター・グループの新展開」

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人間関係研究会50周年を節目として編纂された書籍です。第2部の編集と第1部第5章-3、第2部第3章、第4部「『聴くこと』による自己理解」の執筆を担当しました。

購入希望の方は、表紙の画像を押していただくと、アマゾンの該当ページにとびますので、ご活用下さい。

書誌情報は以下の通りです。

人間関係研究会監修 伊藤義美・松本 剛・山田俊介・坂中正義・本山智敬編著 2020 エンカウンター・グループの新展開─自己理解を深め他者とつながるパーソンセンタード・アプローチ─ 木立の文庫

人間性心理学ゼミ(学部ゼミ)希望者へのアナウンス

ゼミ選択に関わる面談やゼミ見学は随時行っています(Q2も自主ゼミを毎週行っていますので、見学は可能です)。いづれも希望者はメールにて事前予約をしてください。なお、締切直前の面談やゼミ見学は避けてください。早め早めの計画的な行動はゼミで大事にしているポイントの1つです(なお、ゼミ見学は毎回定員があるので定員超えた場合は次回のゼミにまわっていただくことがあります。その結果、書類提出締切までにゼミ見学がかなわなくてもそれは自己責任と考えます)。

また、ゼミ選択に関わる配付資料に書かれていることでわからないことのうち、自分で調べることのできることは事前に調べてから面談を受けることをおすすめします。自ら積極的に動くこともゼミで大事にしているポイントの1つです。といっても、このブログにたどり着いてこのメッセージを読んでる学部生は、そもそも自分で調べて動くという点ではかなりポイント高い気がしますが。

追伸:

「のぞましい」ことって、「やらなくてもいい」と捉えるのか「すすめている」と捉えるかでとりうる行動がかわりますね。

豆知識 『コロナめっ…』

【ニンカンセンター通信 No.174】 2020年4月10日号のメールマガジンに掲載された記事を引用しておきます。


(この文章、3月の中頃に書きました。その後、大学では授業開始日の延期、センターでは講座の延期や中止が決まりました。ほんのちょっと前に書いた文章に古さを感じさせるくらいコロナウィルスの脅威を感じています)

 世の中ではコロナウィルス拡散防止のために普通にできていたことができなくなったり、買えていたものが買えなくなったりと、不自由を強いられています。その中で改めてそれらが自分にどんな影響を与えていたかなど意味を考えたりしています。大学に籍をおく身としては、卒業式、入学式のとりやめが気になるところです。
 卒業式は学生にとっても教員にとっても体験に区切りをつける仕組みです。厳粛な式、その後の友人どおしで写真をとったり、指導教員に挨拶にいったりなどなど、いずれもその1つ1つが学校で過ごした人生の一時期に学校生活という区切をつけるように機能しています。また、友人や教員(教員にとっては学生)との別れの儀式ともいえるでしょう。もちろん、卒業式がなくても卒業するものですから、終了が近づくにつれ、少しづつ自分の中でこころの作業はすすんでいきます。しかし、その式があることで人それぞれ学校生活の意味を感じ、その未練や名残惜しさなどと共に体験の区切をつけていくのです。
 その区切の儀式が急に無くなってしまいました。これは、はじめから儀式が
ないのと訳が違います。あると思っていた儀式が急に無くなってしまったので
す。外側からの体験の区切をつける仕組みが急に無くなってしまったので、自分でおさまりをつけるしかありません。そして学生も教員もそうしていると思います。それにしても「しまらない」ないし「しまりのわるい」年度末です。入学式も体験の区切という意味では同じで、こちらはまるで「タイトルロールがでてこない映画」みたいです。
 豆知識というよりぼやきのような文ですが、こうしてぼやくことでおさまりをつけようとしているのだと思います。「オープニング、エンディングの儀式が持つ体験的意味」「言語化(象徴化)による体験の整理機能」とすれば多少は豆知識風… なんともしまらない文章です。この駄文が配信される頃には落
ち着いているといいなぁ コロナめっ…。

(ということで配信される頃となりました…。落ち着いてないですねえ…。
むしろ一層猛威を振るっています…。こうなったら積読状態の本を読んだり、観たかった映画を観たりと、家での生活を積極的に愉しもうと開きなおろうと
思ってます)

【ニンカンセンター通信 No.174】 2020年4月10日号のメールマガジンより

PCA文献リスト(2019)

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毎年恒例の「日本におけるパーソンセンタード・アプローチに関する文献リスト」の2019年版が発行されました。以下のリンクからダウンロードできますので、ご活用下さい。

お願い:

  • 所属が臨床心理士養成大学院ではなくなってから、相談室紀要類に触れる機会が極端に減っています。また、体調の関係で、情報収集が十分ではないです。該当する文献を執筆された方、もれている文献を御存知の方は、是非ご連絡ください。連絡先は文献リストに記載しているメールにお願いします。
  • 連絡いただいた方には、今後、文献リストや関連論文の発行時に、PDF版をお送りさせていただきます。

書誌情報とリンク:

「ほどほど」「お手軽」のよさ。

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南山大学人文学部心理人間学科ホームページに掲載した教員エッセイです。リンクと引用、いずれもアップしておきます。

「ほどほど」「お手軽」のよさ。

 

 最近引っ越しました。これを機にこれまでペンディングしていた趣味を再起動しました。その1つがプロジェクターによる大画面での映画鑑賞です。

この趣味に相当にはまっていた時期には、20万円程度のプロジェクターに120インチの音声透過型収納可能なスクリーン、AVアンプに5つのスピーカーとサブウーハー、DVDプレーヤーを用意していました。

この趣味の再起動における機器の布陣は以下の通り。

  1. プロジェクター:当時使っていたプロジェクターとほぼ同じ性能で、機能によってはそれをこえるものが技術の進歩によるのでしょう。コンパクト・低価格化がすすんでおり、2万円前後で購入。
  2. スピーカー:360度スピーカーをシーリングライトと天井の間に設置し、Bluetoothで接続。(ちなみにこれは以前書斎に設置していたものの再利用)。
  3. スクリーン:壁が白のクロスなので特段用意しなくても120インチ程度の映写は可能。
  4. インプット:AppleTVをHDMI接続すれば、ネット上のストアにある大量な作品を見ることができます。また書斎等のMacからAirPlayでAppleTV経由で映写も可能です。

以前のシステムに比べれば、音響面などはかなり割り切った「ほどほど」のシステムです。

以前の大規模なシステムでは実際視聴するまでにかなりのステップを要しました。こういう手間自体が楽しいというところもありますが、面倒くさいといえば面倒くさく、その手間を考えて、ついつい普通にテレビで作品を観てしまい、かなり凝った鑑賞システムの出番は意外と少なかったです。

今回のシステムは、映写までのステップもかなりお手軽。プロジェクターもAppelTVもコンパクトなので、無印良品のファイルボックスに収納し、みたいときにさーっと出してきて、簡単にセッテングできます。そのお陰でちょっとの時間で作品を楽しむことができています。

凝ったシステムだと本来の作品を楽しむ回数が減り、ほどほどでお手軽なシステムの方が作品を楽しめる。徹底してやることを意識して取り組めなくなる、ちょっとやってみようという感じだと持続する、こういうことって色々なところでありそうなことですね。そんなことをチラリと思いながら、週末のちょっとの時間を大画面で楽しんでいます。

「私とパーソンセンタード・アプローチ」

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執筆者の「This is me」のつまった「私とパーソンセンタード・アプローチ」が新曜社から発売されました。この中の1章を担当しています。ロジャーズの「私を語る」を意識しつつ、坂中編(2017)の序章で述べた「理論や実践とその人の歩みは不可分であること」や、同書第6章で提示した自身との対話によって自身の可能性が拡がるプロセスについて、我が身を振り返ってみました。

購入希望の方は、表紙の画像を押していただくと、アマゾンの該当ページにとびますので、ご活用下さい。

 

書誌情報はこちら

 坂中正義 2019 かかわる・つなぐ・ゆだねる─PCAのなす「対話」─ 飯長喜一郎・園田雅代編「私とパーソンセンタード・アプローチ」新曜社(20190615)

「家族関係・集団・地域社会(公認心理師実践ガイダンス 第3巻)」

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木立の文庫の公認心理師実践ガイダンス(全4巻)が刊行されました。この中の第3巻「家族関係・集団・地域社会」の1章である「エンカウンター・グループ」を担当しました。エンカウンター・グループの架空事例とその解説をしています。

エンカウンター・グループの架空事例は「傾聴の心理学」でも執筆しており、これと似ないような事例にすべく、「傾聴の心理学」とはかなり異なる世界観を持ち込みました。演出家に憧れていた自分の「未完の行為」にもつながっているかも。

表紙の色が4巻で異なるのですが、第3巻はなんとなくぶどう色。「傾聴の心理学」の本体色に極めて近い色で何か縁を感じます。

購入希望の方は、表紙の画像を押していただくと、アマゾンの該当ページにとびますので、ご活用下さい。

書誌情報は以下の通りです。

坂中正義 2019 エンカウンター・グループ 布柴靖枝・板東充彦編「家族関係・集団・地域社会(公認心理師 実践ガイダンス 第3巻」木立の文庫(20190701)

豆知識『実現傾向』

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【ニンカンセンター通信 No.163】 2019年5月10日号のメールマガジンに掲載された記事を引用しておきます。

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 パーソンセンタード・アプローチ・ワークショップ<ベーシック>という新しい講座を本年度より試みます。おかげさまで、満員御礼、キャンセル待ちとなっております。ありがとうございました。

お礼をかねまして、パーソンセンタード・アプローチの基本仮説の<実現傾向>についてここで紹介したいと思います。<実現傾向>とは、人が誰でも持っている、よりよくいきていこうとする力を示します。成長のタネはだれでももっているといえるでしょう。このタネをよりよいかたちで育てていけるような関係が、いわゆるロジャーズの中核3条件(一致、無条件の積極的関心、共感的理解)を代表とした援助的人間関係論です。

パーソンセンタード・アプローチというと先の援助的人間関係論が有名ですが、それは<実現傾向への信頼>があってこそのもの。これまでパーソンセンタード・アプローチを様々なところでお伝えしてきましたが、基本事項でも見落とされたり誤解されたりも多いように思っています。体験しながら、パーソンセンタード・アプローチのベーシックな部分を学ぶ・学ぶなおす・学び深めるという<ねがい>をこめて、パーソンセンタード・アプローチ・ワークショップ<ベーシック>を開かせていただきます。

当センターが東海地区のパーソンセンタード・アプローチの学びの一役を担えればと思っています。どうぞ、よろしくお願いします。